宝泰寺の宝物

 

ご本尊

宝泰寺の仏像

 宝泰寺の本堂には、本尊釈迦牟尼仏・観音菩薩・勢至菩薩の三体のお像が祀られています。開山堂には開山無文元選禅師・初祖達磨大師・臨済宗の宗祖臨済義玄禅師の三体もお像が安置されています。これら六体の仏像は大仏師・京仏師第一者と称された松久宗琳師・松久朋琳師によって製作されました。
 本堂再興された同年、本尊さまの脇仏として文殊菩薩と普賢菩薩が奉納されました。

宝物

書画

 水墨画も多く残されています。西湖図(伝・雪舟)、山水画・白衣観音像(狩野栄信)、中国絵画呂紀の花鳥図。谷文晁や円山応挙の絵画も伝わっています。徳山三十捧その他二幅は五百年間出といわれた白隠禅師の禅画、様々な禅師の墨蹟や仏典の書写も蔵しています。とくに、宝泰寺第七世澄水東寿禅師は歴代の住職の中でも傑出した学徳兼備な和尚でした。両親の供養のために、大般若経を二十一年六ヶ月の歳月をかけて完遂されたのです。一巻ごとの巻の終わりの跋文を読みますと、禅師の書写に込められた心と信念に胸を打ちます。
 古文書では武田信玄公、勝頼公、徳川家康公等の朱印状も観ることができます。なかでも朝鮮通信使来聘覚書四部は重要な文書です。江戸幕府から宝泰寺は朝鮮通信使の正使の休憩所に指定され、六回受入れてきました。そのときの住職の覚書があります。当時の住職(月界禅師)と正使が交換した漢詩は貴重なものです。

宝物

頂相(禅僧の肖像画)

 開山無文元選禅師、中興開山雪峰禅曽禅師の頂相を初めとして、代々の住職の頂相が伝承されてきました。とくに雪峰禅師の師、亀年禅師の頂相は室町末期の制作で、市の重要文化財になっています。